体験談 / Emma

職場の苦手な人を一瞬で克服したある日の出来事

あの頃、彼女が出勤してくる日は仕事に行くのが憂鬱だった




自分勝手で迷惑な彼女のことがどうしても苦手だった。


決定後のシフトを勝手に変更
業務中、仕事をしないで雑談ばかり
業務の指示に従わない

そんな彼女の勤務態度にチームメンバーからの苦情も多かった。


私はチームリーダーとして何度も彼女と話をしたが
目を合わせようともしない彼女の態度にいつもイラついていた。

仲間や上司に相談したが、状況は変わらないままだった。

私は徐々に彼女との直接の関わりを避けるようになっていった。
彼女もまた、私に話しかけてくることがなくなっていた。



そんなある日
Funスタコミュのメンバーにそのことを相談してみた。


私は自分の辛さを分かってもらおうと
彼女の行動でどれ程困っているのか、必死に説明した。


一通り話を終えると、質問された。

「Emmaの中に何があったから彼女を苦手と思うようになったの?」


は!? どういうこと??私は何を聞かれたのか理解できなかった。

だからまた同じ話、
彼女がどんなに勝手な行動をしているか、
を繰り返した。


返ってきたのは、同じ質問だった。
「Emmaの中に何があったから彼女を苦手と思うようになったの?
彼女ではなく自分の中を探して」


何を答えたらいいのかわからず、固まっていると
彼女と出会ってからの出来事を話してみて、と促された。


初めて彼女が職場に来たときのことから、
思いつくままに話していった。


その人は
「その時、何を感じた? 何を思った?」
と質問しながら聞いてくれた。


彼女がこの職場に来た経緯
仕事中のやりとり
スタッフみんなで食事会をした時のこと
 ・
 ・
 ・




そして、あるエピソードについて話している時
突然、感情がブワッと動いて、涙があふれてきた。

 
彼女は入社したばかりの頃
日常の些細なところでいろいろな不安を抱えていた。

私は何とかしてあげたいと思い
彼女のために準備したものがあった。

彼女は「いらない」と言って、それを使わなかった。


「いらない」

私はその言葉を
“準備したモノ”ではなく、
“自分”がいらないと否定されたと感じたんだ
私を拒絶したと感じて傷ついたんだ
それがとても苦しかったんだ


この時初めて、
私は自分が傷ついていたことを自覚した
傷ついている自分を認めることができて
涙が流れた


涙が止まった時
私の中から「苦手」という感覚が消えていた
そして、
「彼女と仲良くなりたい」という感覚が戻ってきていた




次の日から、職場で、
なんであんなに苦手に思っていたんだろう?
と思うくらい、彼女のことが嫌でなくなっていた。

そんな自分の感覚の変化に驚いた。

さらに不思議なことに、
彼女の行動も変化していた。


彼女から話しかけてくるようになった。
シフトの変更希望を伝えに来るようになった。 
私の話を聞いてくれるようになった。

その変化は、チームの仲間から、
「どうしたの?何かあった?」と聞かれるほど。


なぜ彼女の行動が変わったのかは分からない。
私の気持ちの変化が、彼女にも伝わったからなのか。  

その後、彼女が退職するまで、
私の「彼女と仲良くしたい」という気持ちは
変わることはなかった。

 
私が体感した、心に残る出来事だ。

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