体験談 / エル

引き寄せの法則は嘘なのか?(私の場合)

何年か前、「引き寄せの法則」なるものが流行った。


たしか、「The Secret」という本だったと思う。

起業して、5、6年経ったころだ。

僕の会社は、毎月、何とか食いつないでいたが、思い描いた生活には程遠かった。

さらに、ギリギリの生活の中、妻はピリピリし、僕自身もプレッシャーからイライラしていた。

そんな二人が一緒にいるのだから、妻とはよく喧嘩になった。

「少しぐらい家事を手伝ってよ!」

「俺だって忙しいんだよ!」

「稼ぎも少ないんだから、家事や育児ぐらい手伝ってよね!!」

「はぁ!?だったら、お前が仕事して来いよ!!」

こんな言い合いを良くしていた。

そんな、いろんな意味で、うまくいっていないときにこの本を読んだ。

この本を読むときに、とてもワクワクしたのを覚えている。

これで、、、

人生うまくいくぞ!

お金を稼ぐ方法がわかるぞ!

妻を変えられる!

という、自分の思った通りの未来になる方法が、これから手に入るんだ!という想いで、この本を読んだ。


しかし、期待は見事に裏切られた。

その本に書かれた、あるたった1つの言葉で、僕は立ち上がれないほどのダメージを受けた。

その言葉が、

「思考は現実化する」

という言葉だ。

その言葉を見たとき、僕の中でこんな想いが駆け巡った。

「え?会社の売り上げが悪いは、自分の思考が原因なの?」

「え?妻と関係が悪いのは、自分のせいなの?」

「え?理想の人生が手に入らないのは、すべて自分が引き寄せているの?」

ガーーーーーーーン

ショック!

”全部、おれのせいだったのか・・・”

そう思った瞬間、力が抜けてしまった。

すべてに対してやる気が無くなった僕は、ベッドに入って寝た。

頭の中では、

「仕事のせいだと思っていた、会社の売り上げは、おれが原因だったのか」

「妻が間違ってる!と思っていたけど、間違っていたのはおれだったのか」

「おれは頑張ってきた!と思っていたけど、違ったんだ」

という、思考が生まれては消えていった。

考えれば考えるほど、自分の体と頭は重くなり、目の前が真っ暗になっていった。

その日は、晩御飯も食べる気にはならず、そのまま眠りについた。


次の日の朝は、体調が悪くなり、熱を測ってみると38.6℃だった。

そこから、およそ3日間寝込むが、、、その間もいろいろな思考が駆け巡った。

あれも、これも、あの出来事も、妻とのあの喧嘩も、すべてが自分のせいだったのか・・・

おれって一体何なんだろう、結局は迷惑かけてるだけじゃん・・・

いない方がいいんじゃないか・・・

頭の中で、いろいろな思考がグルグルしている中で、ふと「子どもの笑顔」が思い浮かんだ。

当時、小学2年生の息子だ。

とっても楽しそうにわらっている笑顔だった。

そのとき、自分の中で疑問がわいた。

ん?これも、望んでいないものなのか?

息子の笑顔は、おれにとって幸せじゃなくて、不幸なのか?

・・・

「いや!そんなことはない!!」

息子の笑顔は、おれにとっては、幸せだ。

じゃー、そもそも引き寄せるって何を引き寄せるんだ?

お金?車?家?理想の妻?

それを引き寄せることが、幸せなのか?

でも、現実はどうか?

望んだ額のお金は手に入ってないし、欲しいものは何も手に入ってない・・・だけど、”息子の笑顔”はおれにとっては幸せだ。

どういうことなんだ???

いや、、、

そもそも、「幸せ」ってなんだ?

・・・

・・・そういえば、幸せになる、という言葉以外に、幸せを感じる、幸せである、という言葉も聞いたことがあるな。

今の自分の感覚なら、「幸せを感じる」という言葉が近いかも。

息子の笑顔を見ることで、「幸せだと感じ」ている自分。

でも、現実をみると、目標としていた金額は手に入ってないし、欲しいものも手に入っていないし、当然、妻との関係も良くなっていない。


もしかして、幸せって、自分が感じるものであり、与えられるものではないんじゃないか?

お金がたくさんあるから幸せ

良い車に乗ってるから幸せ

豪邸に住んでるから幸せ

、、、じゃなくて、お金がなくても、ボロ車でも、ボロい家でも、自分が幸せを感じられてさえいれば、それが「幸せ」なんじゃないか?

(もちろん、欲しいのは欲しいけどね笑)

こんなことを考えていくうちに、自分を責める思考は無くなっていき、「自分にとっての幸せとは何か?」を考えるきっかけになった出来事でした。

投稿者プロフィール

eru
eru
Funスタ協会立ち上げメンバーの一人。

現在40代で3人の子どもの父親。離婚の危機を何度か経験するが、今では夫婦円満に。

いろいろな人間関係、仕事、お金についても、少しずつよりよい方向へ進んでいる、気がする笑

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